【お知らせ】ウルトラドメインの中古ドメインが使いやすくなりました
「ウルトラランク」の算出基準を変えました
ウルトラドメインは1月1日、中古ドメイン選びの指標である「ウルトラランク」の算出方法を以下のように変更しました。
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■変更前
ウルトラランク=AhrefsのUR・DRの和
↓
■変更後:
ウルトラランク=AhrefsのUR・DRとMajesticのCF・TFを用いた加重平均
※UR・DR・CF・TFについては後に解説します。━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
加重平均の比率はURが10%、DRが35%、CFが20%、TFが35%です。Ahrefs・Majesticの両クローラーが用いる基準のうち、リンクの「量」にやや比重を置きつつも質もじゅうぶんに考慮した比率としました。
この変更によりウルトラランクは従来よりも「効果的な中古ドメインをより正確かつ直感的に選べるランクづけ」に進化しました。ここからは変更に至った経緯と、算出方法の考え方についてご説明します。
目次
本題の前に…初心者向けの用語解説
Ahrefs・Majesticとは
Googleに近いとされる基準でWebサイトの評価を行う、有力な2つのクローラーです。
Ahrefsのランク基準は2種類ある
【1】URLレーティング(UR)
ページがサイト構造の強固さ・Web上にどれくらい食い込んでいるかを示す値。
【2】ドメインレーティング(DR)
ドメインがどれくらい被リンクを受けているかを示す値。転じてドメインにどれくらい権威性があるかを示す意味もある。
これまで当社の「ウルトラランク」は、この2つの数値を足したものを「ドメインランク」として扱っていました。
Majesticのランク基準も2種類ある
【3】トラストフロー(TF)
そのドメインがもらっている被リンクの「質」を示す値。
【4】サイテーションフロー(CF)
そのドメインがもらっている被リンクの「量」を示す値。
今後はドメインランクにこちらの数値も取り入れて参ります。
変更理由は「直感的な中古ドメイン選び」を叶えるため
冒頭で書いた通り、ウルトラランクはこれまで「AhrefsのUR・DRの和」で示していました。概ね良い基準であったと言えます。一方、ドメインを精査する中で、明らかに価値が高いドメインのランクが下がっていることがありました。
中古ドメイン選択画面では、UR・DRのほか上記TF・CFに加えて非常に多くの情報が載っています。知識が深い方なら、それも踏まえて総合的な購入判断ができるかもしれません。しかし、一般的にそこまで深い知識がある方は数えるほどもいないでしょう。
そこでどんな方でも「ウルトラランクが高いほど良い」と直感的に判断できるようなサービスにすべく、変更へと踏み切りました。
まずは従来のランク基準を検証してみた
国内外のいくつかのジャンルから知名度が高い or 利用者が多いサイトを選びます。相互に比較しやすいようなものから14サイトを選びました。まずは、これに対して従来のウルトラランク(UR+DR)が適切かどうかを検証します。
選んだ14のサイト
google.com:言うまでもなくGoogle。
yahoo.co.jp:言うまでもなくYahooの日本語サイト。
cnn.com:世界最大級のニュースサイト。
yahoo.com:Yahooの本家・英語版サイト。
nikkei.com:日本経済新聞によるニュースサイト。
yomiuri.co.jp:読売新聞によるニュースサイト。
toyota.com:自動車メーカートヨタのサイト。
mhi.com:国内の総合メーカー三菱重工のサイト。
gm.com:米国の自動車メーカーゼネラルモーターズのサイト。
ge.com:米国の総合電機メーカーゼネラル・エレクトリックのサイト。
siemens.com:ドイツの情報・電機事業会社シーメンスのサイト。
lockheedmartin.com:米国の航空・戦闘機等メーカーロッキード・マーティンのサイト。
nasa.gov:米国の宇宙開発機関NASAのサイト。
jaxa.jp:日本の宇宙開発機関JAXAのサイト。
上記サイトに対するウルトラランクは以下の画像の通りでした。UR+DRの列です。

結論から言えば、かなり順位に歪みがあると言わざるを得ません。例えば…
- GoogleよりYahoo日本語サイトの方が上になっている。
- URランクが、同じyahoo.co.jp:yahoo.comでも56:14と不自然なほどズレがある。
など
また、赤枠から右に視線を移してみても、UR+DRの値とCF+TFの値にかなり大きな差があることがわかります。例えば上から2つの「google.com」「yahoo.co.jp」ですが、以下の通りです。
【google.com】UR+DRは113/CF+TFは199
【yahoo.co.jp】UR+DRは149/CF+TFは167
UR+DRで高い数値が出ていてもCF+TFでは高い数値が出ていない…ということもザラにあるわけです。これを無視したまま「ウルトラランク=UR+DR」とするのは妥当とは言えません。
従来も一覧画面にCF・TFをはじめとした情報を載せてはいたものの、いずれにしてもCF+TFも含めた検証が必要になるのであれば「ウルトラランクを確認する」「そのうえでCF・TFを考慮して取捨選択する」という二重フローが必要になってしまいます。何より、わからない人はわからないままになってしまいます。不親切な部分があったと反省しました。
加重平均を用いてMajesticランクを判断基準に入れる
そこで、表題の通り「加重平均」を用いてCF+TFをウルトラランクの算出基準に盛り込むことにしました。
加重平均とは?
加重平均とは、ひとことでわかりやすく言えば「データをちょっとずつ贔屓した平均」のようなものです。
学校のテストで例えてみましょう。A・B・Cの3校で、同じテストの平均点を出すとします。このとき、A,B,C校における全生徒の点数を平均すれば求める数値は出るでしょうか?
実は、そうなりません。もし生徒数がA:300人、B:200人、C:100人だったら。これらすべてを一緒くたに平均化すると、万が一どこかの学校に成績の偏りがあったときにデータにズレが出てしまいます。
こういった事象に対応する手段が「加重平均」なのです。今回の場合はテスト点数を平均する際、人数に合わせてA校:B校:C校=3:2:1の比率でデータを「ひいき」することで、より正確な平均点を出すことができるといえるでしょう。
加重平均の割合を微調整しながら決定した
これを今回、UR・DR・CF・TFに対して行った…というのが大きな趣旨です。そこで問題となるのが「UR・DR・CF・TFを、それぞれどれくらい“ひいき”するか?」ということですね。
この点については、ドメインの実質的な価値に合うよう、当社の知見を活用しながら微調整を行いました。その結果、以下の基準に落ち着きました。
●UR:10% ●DR:35%
●CF:20% ●TF:35%
被リンク量にやや重きを置きつつ、被リンクの質についても十分に考慮したイメージです。これによって先ほどの14サイトの新たな「ウルトラランク」を羅列した結果が以下の通りです。

大きく数値に変化があることがわかるでしょうか。例えば以下のような点で改善・納得できる点がみられます。
- 従来と異なり、GoogleがYahooより上位になっている。
- Yahooの日本語サイト、本家サイトの値がほぼ同一になっている。
- 企業サイトを国内ニュースサイトが微妙に上回り、それをさらに世界最大級のCNNが上回っている。
など
ここでは詳細を省きますが、その他にも合理的に考察できそうな要素があるとわかりました。この14ドメインで説得力がある順位を出すことができたことから、演繹的に他のドメインでもより正確なランクをつけることができると考えます。
これが今回の「ウルトラランクの算出基準を変更した」点の、詳細のご説明です。
まとめ
ここまでお読みくださり、ありがとうございました。今回の記事でお伝えしたかったのは以下の4点です。
- ウルトラドメインは「ウルトラランク」の評価基準を変更した。
- 新たな基準は、UR・DR(Ahrefs)とCF・TF(Majestic)の加重平均である。
- 国内外から比較しやすい有力ドメインを抽出しテストした結果、根拠ある結果が得られた。
- 得られる成果は「効果的な中古ドメインを、より正確かつ直感的に選べるランクづけ」だ。
これからもウルトラドメインは、これまで以上に使いやすい中古ドメイン関連サービスを意欲的に開拓してまいります。今後ともよろしくお願いいたします。